介護職の人手不足を考える

こんにちは。彩桜です。

みなさんは、介護について考えたことはありますか?

私はパートで介護士をしていますが、介護職の人手不足は深刻になっています。

「介護なんて関係ない」という人は、ほとんど居ないのです。

なぜなら、誰もが歳を取り、介護をしない人も介護をされる側になるからです。

人手不足、今後どうしたら良いのか考えてみました。

スポンサーリンク

人手不足を解消するために必要なこと

  • 介護用機器の導入
  • 海外の技能実習生を増やす
  • 全体的な給与の底上げ
  • 介護のイメージ改善

全てをトータルで行う必要があります。

介護用機器の導入

別に全てを機械にしてしまえ、というわけではありません。

車椅子からベッドへ移乗するときに、使用できる機械を導入すること。記録をもっとシンプルにしたり、デジタル化したりすることです。

どんな介護をするかは、ひとりひとり計画を立てます(ケアプラン)

プランの作成はデジタルソフトなどで効率化していますが、現場に入ると記録が手書きだったりします。ボールペンで手書きですので、失敗すると訂正がたくさんつき、読み返しづらくなります。書類によっては、下書きをするという手間が発生します。

介護の記録は、もっと効率化できます。

インカムで話すと、記録されるシステムも可能でしょう。それに翻訳機能がつけば、外国の労働者にも対応できますね。

介護の効率化ってなんなの?

介護の効率化とは?

介護士の間でも話題になります。

私が思う効率化は、単にケアを流れ作業で行えというわけではありません。テクノロジーを活用すれば、ケアの方に集中できるのではないかということです。

機械を導入しずらい理由
  • 介護する側が高齢になっているので、デジタルや機械が苦手である場合がある。
  • センシティブなケアが必要であるため、ロボットで対応できるのか?という不安。
  • コストがかかる

介護士で「パソコンは使えない」という人もいます。

介護は人でないとできないことが、たくさんあります。「PCが使えない人」は他の出来る業務を行うなど、色々なことを分業することは可能でしょう。

人手不足ゆえに分業ができないことも多いです。それが人手不足を生む、悪循環となっています。

海外の技能実習生を増やす

「外国人に頼らず、機械化をどんどんすれば良い」ということを言われる方もいます。

外国人労働力に頼るから、日本人労働者の給料が上がらないとも言われます。それは、一理あると思います。

ではなぜ、海外の方に来て欲しいのか。

現場で働いていて思うことは、機械化や賃上げが進むより、介護の質が落ちる方が早いのではないと思うのです。機械を導入するにはコストがかかります。コストがかかることって導入までに時間もかかりますよね。

ですので、海外の方も受け入れるのが現実的ではないかと思います。それぐらい人手不足が深刻ということです。

時々、技能実習生に劣悪な待遇を強いる悪質業者のニュースを目にします。技能実習生を、きちんとした待遇で迎えることは大前提です。

賃上げをすれば人手が増える?

賃上げをどのくらい行うのか、だと思います。

全国の平均的な収入より上にならないと、なかなか「介護士に転職してみよう」という気持ちには、ならないのではないでしょうか。

つまり、賃上げは必須なのです。

政府が2022.10月から一人当たり月に9000円を処遇改善に加算するという案を出しました。正直なところ、それだけでは人手不足は解消されないでしょう。給料が上がる対象の人は「ちょっとうれしい」という程度だと思います。

もちろん、少しずつ進歩しているということは良いことではありますが。

以前勤めていた職場では宿直勤務を見直し、夜勤へと変更しました(業務内容は変わりませんが)それによって、時給は倍になりました。(引っ越さなかったら、ずっと働きたかった)

結果、人手が増えたのかと言えば、「なり手がいない」というままでした。倍になっても、一般的には「賃金低いな」と思ってしまう現状なのです。

介護のイメージアップ

介護のイメージアップは重要ですが、ハードルが高いです。

今まで「給料が低い」「体力的にきつい」と言われてきたのに、

急に「やりがいあるよ!さあみんな介護職へ!」

といっても、転職しませんよね。

給料が上がっても、なり手が増えない理由
  • そもそもの給料が低い。倍になっても「平均的」であることもある。
  • 介護職は技術職というイメージが浸透していない。
  • 排泄介助がある。
  • 夜勤がある。

排泄介助や夜勤は、職場によっては、ないこともあります。「見守り」で良い場合もあります。

「体験雇用」が出来ると、イメージが変わる人もいるかもしれません。

やはり、給料アップと効率化が、ポイントになるのかもしれません。

IT化が進まない、給料が上がらないと…?

IT化や給料が上がらないと、どうなるか考えてみました。

彩桜の想像ですので、絶対こうなるというわけではありません。

  1. もっと人手不足になる
  2. 介護の質が下がる
  3. もう、家族でどうにかしましょう

1.もっと人手不足になる

もうすでに人手不足ですが、もっと深刻になります。「IT化が進めば人手を減らせる」と取り上げられがちですが、現状人手不足なので、減らせるのはもっと後。

現時点での人手不足を解消するためにITを導入するのであって、人員を減らすことを今、考えるのは危険だと思います。「ITになったのに、現場は人が足りないんだけど?」という現状にならないように、そこは分けて考えないといけないでしょう。

2.介護の質が下がる

なり手が減るということは、サービスが提供できなくなります。

例えば入浴。週3回は入れている入浴が、週1回や10日に1回になったりするかもしれません。「もう入れる人だけ勝手に入ってください。入れない人はちょっと体拭くね」とかになってしまうかも。

オムツ交換やトイレ誘導も2~3時間に1回だったのが、朝と寝る前の2回とかになってしまうかもしれません。

不衛生にり、感染症なども増えてしまいます。

3.家族でどうにかして状態

ここまでくると介護崩壊しすぎなので、現実的ではないですが。あくまでも想像なので書いてみました。

施設に入れるのは、お金がある人だけになる。ということに。そうなると、家族で介護をしなければならず、介護離職が増えます。ヤングケアラーも増えるでしょう。

介護士は技術職である

介護職は、誰でもできる仕事ではありません。技術が必要です。

もともと介護は家で家族が行っていました。「女性が行う仕事の一つ」として育児、家事、介護という流れがあったのかもしれません。それが時代とともに変わってきて「育児」も「家事」も「介護」も専門家、技術者が生まれたのです。

家庭から生まれてきた職業なので、介護は「誰にでもできる」と言われがちですが、実は違います。

介護技術というものが、ちゃんと存在します。

技術者であるということは、能力を高めていく必要があります。賃金が上がらないと能力を高めようとするモチベーションにつながりませんよね。

介護の質が、そこそこになってしまうということは、利用者は「これ頼みたいんだけど、やって貰えないんだろうな」と思うことが増えます。お年寄りになったら、「常に我慢」ということになりかねません。

みなさんは、それでも良いでしょうか?

おわりに

「年を取って誰かの世話になりたくない」と言ったとしても、現実は、そうもいかないことが多いです。それをふまえた上で、これからの介護福祉はどうなっていって欲しいのか。

老後、どうしようか?ということを、少しだけ考えてみてはいかがでしょうか?

コメント